バオバブの樹とは?対外活動
取材協力

多様であることが当たり前の世の中を目指して・・・

バオバブのこどもたちが抱える困りごとは、社会のあり方が変わることで軽減されることも多くあります。たとえばすべての漢字にフリガナがあれば、書き文字が当たり前と言わないでくれたら、自由な姿勢で授業が受けられたら、音や光の刺激だけでもすごく疲れることを知って対応を変えてくれたら・・・

この数年、講演会活動等を通じて私たちの活動を知ったマスメディアの方々から取材を頂く機会が増えてきました。「一人ひとり違う」という言葉が表層的な意味で終わらないよう、私たちは常に当事者の声を直接届けることで、一人ひとりまったく違うのだということを知ってもらったうえで、広く社会に届けてもらおうとしています。

本当の意味で「多様」であることが当たり前の世の中、誰もが認められ生きやすい世の中に一歩でも近づけるよう、私たちは協力していきたいと思っています。

【 これまでの実績 】

雑誌AERA 発達障害特集(2016)
AERA「発達障害と生きる②」(2016年5月30日発行)
AERA「発達障害と生きる③」(2016年6月6日発行)への取材協力。

2016.5.23~6.20のAERAに発達障害が5回に渡って連載され、その2,3回目、2016.5.30発売のNo.23と6.6発売のNo.25にNPO法人発達サポートネット バオバブの樹 ことばと読み書き すーふの活動と、すーふに通うFくんのことが取り上げられました。

エール&リンク(公益財団法人 ベネッセこども基金)(2017)

2017年に明蓬館高校で行われた講演会を聴講したライターさんのご縁で、2017年6月14日、7月10日、8月18日に「発達性ディスレクシアがある子どもを支え、保護者をつなぐ」と題された3本の記事が掲載されました。

フィギャーノート啓発動画(2020~2021)

バオバブの樹の音楽療法『ぱんた♪』を担当してくださっている、
松田真奈美先生のご縁でつながった研究協力です。
日本学術振興会の科学研究費補助金によるフィギャーノート啓発のための研究に協力しています。

研究者:明星大学阪井恵教授。
動画制作:株式会社Viibar

「NHK ふつうってなんだろう?えほん」(2021)

NHK のEテレで放映中のショートアニメーションシリーズ「ふつうってなんだろう?」
が絵本になりました。バオバブの樹が取材協力した「フミヤ(20)のふつう」は「ひか
り、あじ、おとが イタイんです」として出版。絵本ならではの『感覚の雲』の描き方、
テレビシリーズから改変したタイトル、あとがきにも、フミヤくん、沖村先生の思い・
メッセージが込められています。

語り:フミヤ
絵:今津 良樹
編集:NHK「ふつうってなんだろう?」制作班
出版社:ほるぷ出版

NHK for School(2019)

2019年にバオバブの樹が取材・撮影協力した番組がNHK for Schoolにまとまりました。

下記に取材を受けた人のコメントも掲載していますので、ぜひご覧下さい。

【ふつうってなんだろう?#4】フミヤ(20)のふつう

20歳のフミヤさんは、物の感じ方が人と違うことで苦しんできた。たとえば、外を歩いていると、車やバイク、女子高生、サラリーマン、手に持っているタバコなど、あらゆる情報が飛び込んできて疲れ切ってしまう。周囲との差をいつも感じてきたフミヤさんに大きなきっかけをくれたのは、ある先生との出会いだった。フミヤさんが、今、伝えたいこととは?

#1「教室で感じる“ふつう”」

アニメ「ふつうってなんだろう?」に出演しているフミヤさんとその仲間が、これまでの学校生活を振り返り、どんなことで困っていたのか、その中でどんな工夫をしてきたのか、それぞれの実体験を具体的にお話してもらいました。

#2「仕事で感じる“ふつう”」

アニメ「ふつうってなんだろう?」に出演しているフミヤさんとその仲間が、いま働いている職場で、どんなことにつまずいているのか、その中でどんな工夫をして仕事をしているのか、について、それぞれの実体験をお話してもらいました。

◆取材対象者コメント◆

【ふつうってなんだろう?#4】フミヤ(20)のふつう(2019年3月公開)

バオバブの樹で講演活動やイベントなどを行っている中でNHK様から取材を受けました。

目には見えにくい”感覚過敏”を今津良樹さんによるアニメーションで細かな感覚や刺激を2分間の作品としてわかりやすく表現してもらいました。

例として、動画の内容で(サラダを食べると、ラーメンにチョコレートを入れた感じ)と言う内容があります。

この言葉には、まったく違う ”味・食感・感覚” が同時に口の中へ刺さる刺激を表現しています。

こういった見えにくい”感覚過敏・見えにくい特性”

私が伝えたい事を一つでも多く感じていただけたらな。っと思っています。(ふみや)

#1「教室で感じる“ふつう”」

アツム

「これができないだけでなく、苦手だけどこうすればやれそうって大事なところを拾ってもらえているのは嬉しいです。

最初は、感覚過敏がテーマと言われていましたが、それだけでは絡み合った特徴からくる困難は表現しづらいと感じていました。

テーマを 教室 など大変だった場面にしてもらえたので、困っていた全体を伝えられたと思います。」

タツヤ

「いいとこを切り取って、メッセージ性のある内容にまとめてくれてて嬉しいです。」

ミキヤ

「いいね」

フミヤ

「普段、講演活動を通して皆さんに伝えていることを「NHK」の力を借りてより多くの方に見ていただけるのは、本当にうれしいです。

この動画を通じて、たくさんの環境が変わってくれること、これから大人になるこどもたちが様々なことを学び成長できる環境が増えることを期待しています。」

沖村先生

最初の職場で苦しくなるまでは、色々な苦手がありながらも、そうとは気づかず、努力し、周囲に合わせていたアツムくん、

学校での学習は苦痛だったけれど得意のサッカーが救いとなっていたタツヤくん、

「学校は監獄、牢獄。」学校が大嫌いで、学校では周りを遮断することで自分を守っていたミキヤくん、

過敏、不安、衝動性など、様々な困難を、自分でもどうしていいかわからず混乱していたフミヤくん、

そんな4人が、自分たちの経験がこどもたちの未来を守ることに繋がれば・・・

とカメラの前でしっかり語ってくれました。いい表情と語りを捉えて下さっているなあ・・・

とNHKさんのプロの技に感動すると同時に、いい顔して、しっかりと語ってくれている4人を誇りに思います。

親子で見て話し合って欲しい内容に仕上がっています。

どの教室でも「多様な学び」が守られますように・・・

#2「仕事で感じる“ふつう”」

アツム

「私たちにとって自分の特徴を知って仕事に就くのはとても大切です。

伝えても『普通』に見えてしまうので、特徴関係なしに仕事が来ることがあります。

期待に応えようとしたり、集中しすぎたりすると、自分でも知らない間に100%の力を出し続けてしまいます。

初めは出来てしまいますが、極度の疲労を伴い、続ければボロボロになります。

自分の特徴の理解と対策、それを伝え続ける力が私たちには必要で、またそれを受け止めてくれる会社が増えればと思います。」

ミキヤくんをよく知るK先生からのメッセージ

「頼もしい若者たちだね。ミキヤくんが落ち着いて自信をもって話しているのが嬉しかったです。」

フミヤ

「就職は、様々な苦手がある私には、それはとてもとても高い壁です。

得意な事があっても、様々な苦手なことが周囲にあり、その環境で働くと考えるだけで倒れてしまいます。

様々な性格の人が過ごす社会で、こどもたちのためにも、お互いを認め合う社会に、この動画が配信されたことで一歩でも進んでくれるといいですね。」

沖村先生

「学校」を卒業した後、社会でどう生きていくのか、それは、誰にとっても、大きなテーマです。

誰もが壁にぶつかりながら、模索していきます。 この若者たちの年齢よりも長い間この仕事をしている私も、ずっと、壁にぶつかったり、穴に落ちたりして、悩んだり迷ったりしています。

この「仕事編」を見て、社会で生きる全ての人が「多様な働き方」の必要性について、考えて下さるといいなと思います。

それぞれの「違い」を認め、苦手なことを克服しようと頑張るのではなく、得意なこと、苦ではないことで活躍でき、苦手なことは助けてもらえるそんな社会が実現しますように・・・ バオバブでは、私の苦手な掃除とお金の計算は、得意なママスタッフさんが私のダメさを責めることなく、さっと助けて下さいます。

本当に幸せです。